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設計を通じて考えていること,地域のまちづくりで取り組んでいること,写真だけでは伝わりにくいことなどを,少しずつ記録しています.ブログとして facebookページにもアップしています.
2018.12.28 |
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2018.12.08 |
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2018.11.18 |
長野県駒ヶ根市 N邸
2018.12.28
ワークトップのまわりにぐるりと収納があり,機能性も抜群です
お披露目会のひとコマ参加型キッチンの住まい
年末ぎりぎり,地元駒ヶ根市にてリフォームの仕事を納めました.伊那市T邸に続き,偶然にもキッチンに特徴のある住まいになりました。
かつて住まいの設計をするとき,キッチンについては「オープンかクローズか,セミオープンか」が打合せの主題でした.しかし時代の流れはとても早く,いま大手キッチンメーカーのカタログは,堂々としたアイランド型が表紙になっています.すっかり定着したセミオープンの対面型キッチンから,人気が移行してつつあります.
アイランドキッチンというと「見える」「見せる」ことに目がいきますが,いちばんの特徴は回遊動線(=カウンターの周囲をまわれ,行き止まりにならないこと)にあります.一般家庭の日常を考えた時,調理に立つのはひとりでも,家族が冷蔵庫に飲み物を取りに行くことや,ちょっとグラスを洗うといった機会は多く,その都度動線が交錯して案外ストレスになるものです.この点アイランドキッチンは動線の交錯が少なく,とても快適です.また自然に人が寄り付きやすいため,配膳や片付けなどに「参加」しやすい点も,現代人向けと言えます.このような参加型のキッチンは,これから主流になっていくのかもしれません。
さてこのキッチン,極めてストイックに見えるかもしれませんが(写真上),食材や道具が持ち込まれた途端,生き生きとした空間に変化しています(写真左).
古民具を楽しむ暮らし暮らしに溶け込むアルプスのある風景
今回のリフォームは,キッチンこそ大きく変わりましたが,住まい全体の間取りはあまり変えていません.しかし廊下で分断されていた茶の間とダイニングを繋げるだけで,何倍にも伸びやかに,そして明るくなり,リフォーム効果は絶大なものでした.
全体をすっきりとまとめる一方で,昭和の雰囲気が感じられる既存の建具は敢えて生かしています. 時をつなぐ役割として,また何よりその味わいが捨てがたかったからです.シンプルに仕上げた空間に,古民具や野の花が映える素敵な暮らしのセンスには,設計者としてもたいへん刺激を受けました.
建築工事:有限会社新井建築 キッチン工事:株式会社インテルナながの
長野県伊那市 T邸
2018.12.08
テーブルはクルミ,ワークトップはステンレスバイブレーション仕上
壁は珪藻土,床はチェリー材.テーブルと一体化したキッチン
長野県伊那市にて,伸びやかなダイニングキッチンをもつリフォームが完成しました.
設計開始の際,第一のご要望は「広いリビング」.たしかにお住まいを拝見しますと,部屋数こそ多いもののゆったりできるスペースがなく,大きく改変する必要性を感じました.
元々大きな住宅でしたので,広いリビングの獲得はさほど困難ではなく,プランもすんなり決まるかと思えました.しかしキッチンがどうもしっくり納まりません.少なくとも5〜6案 ー 広さも動線も収納もほぼ満足出来る案 ー をつくりましたがピタリといかず,やや行き詰まりを感じていました.リフォームだから多少はやむを得ない…との思いもよぎった時ふと,「リフォームだからこそ出来る思い切った案もあるはず」と発想し,このキッチンが生まれました.
ワークトップとテーブルを横一列に配置し,伸びやかさを出すため一体で作ることに.とはいえそれぞれに必要な長さを合計すると5メートル近くなります.部屋に納まりはするものの,ボリューム感が出過ぎないか,製作上問題はないか,少し心配でした.その点を配慮しながら各所の寸法や仕上げ・色・ディテールなどを練り上げて製作へ.取り付け当日,ちょうどよいサイズ感で納まっているキッチンを見てホッとしました.
すっきりした和モダン永く住み継ぐためのリフォーム
内装はすっきりした和モダンです.これは建主さんの要望でもありましたが,元々瓦屋根の和風住宅で,蔵が多く建つ界隈の雰囲気も手伝い,自然に決まっていきました.主な仕上げはアイボリー色の珪藻土とチェリーのフローリング,それを引き立てるやわらかい照明です.またこのリフォームは,イメージアップだけではなく耐震補強・断熱・床暖房も施し,永く住み続けるためにしっかりと手を入れました.
建築工事:有限会社新井建築 キッチン工事:株式会社インテルナながの
駒ヶ根市主催「空き店舗見学会」アドバイザーとして参加
2018.11.18
見学会は旧「王将」前からスタート.この界隈には路地空間が広がっており,ここが活気づくと,とても面白い町になりそうです.
中心市街地空き店舗見学ツアー
駒ヶ根市中心市街地の空き店舗活用を促進するため,市役所主催にて空き物件見学会が開かれました.私どもの事務所は中心市街地にほど近く,また「こまがねテラス」のミーティングにもしばしば参加しているご縁もあり,この度は建築士として参加してまいりました.当日は5〜6軒の空き店舗を実際に内覧した後,駅前商店街に昨年開業したCross Lifeで昼食を摂りながら開業のエピソードを拝聴.私からは参加された皆さんへ,店舗活用に関するアドバイスをお話ししました.
駒ヶ根市ではかねてより中心市街地再生への取り組みが続けられていますが,この1〜2年,空き店舗での開業が目につくようになりました.今回の催しも,この流れにプラスになったのではないでしょうか.
また物件を見学しながら町をまわるのはたいへん面白く,私自身も楽しみました.活用アイデアや中心街のイメージについて,初対面の方とも自然に会話が弾み,大いに交流も促されました.
■ 3年目の冬を前に 近況報告と所感・雑感
駒ヶ根に拠点を移し3年目、この夏ようやく事務所の入口をリニューアルし、外観のイメージアップが叶いました。2015年の移転当初は内部の改装のみで事足りると考えていましたが、今年思い切って入口を直してみたところたいへん評判が良く、それが功を奏したかどうかはわかりませんが徐々に地元の方からも設計を依頼いただくようになりました。
計画のひとつは蔵のある界隈に建つ住宅で、定年後の生活を念頭にその過半を改修するものです。またもう一つの計画は快適性を高めるためのリフォームで、床暖房の施工が中心です。いずれも世代交代や家族構成の変化がきっかけであること、かつ建物の老朽化はさほど問題でないことが共通しています。
時代の変化が著しい現代、ライフスタイルや価値観の変化が建物の劣化スピードよりも早くなっています。今後この傾向が加速することを思うと、たてものにどのように向き合ったらよいのかと考えざるをえません。
まず持続可能性という視点ではリサイクル性やエネルギー効率の向上、またプランニングについてはその時点の「最適解」だけを求めるのではなく、変化に対応しやすい設計という視点が必要だと思います。
そして基本的な態度としては、既存のものを少しずつ手直ししながら使い続けるという考え方が重要になってくると思います。当たり前のことのように聞こえますが、案外むずかしいのではないでしょうか。
たとえば壁紙が破れるなどの破損が起きた場合には修繕される方がほとんどだと思います。しかし間取りが使いにくくなった、デザインが見劣りして気分が沈む、など形態が陳腐化した場合にすぐリフォームを考える方は多くないでしょう。まして用途を変更するという選択肢など、思い浮かばないかもしれません。
あるいは「費用がかかりそう」「誰に相談してよいのかわからない」といった理由で先延ばしになり、やがて時期を逸して本当に老朽化し空き家になる — そのような悪循環が日本じゅうに広まっている気がします。
高度成長期に建てられた多くのたてものが、いま「老朽化で建て替え」の時期にさしかかっています。とくに堅牢をめざしてつくられたコンクリート造の建物を、40〜50年で建て替えなければならないのはたいへん残念ですし不自然とも思えます。しかしそれも、急激な時代の変化の中ではやむを得ないのかもしれません。つぎの時代に向けては、それを繰り返さないために、「こまめなメンテナンス」や「変化に合わせた改修」を容易にチョイスできる環境を整えていくことも大切だと思います。
事務所を路面に構えてリノベーションしているのは、そのメッセージでもあります。小さな取り組みですが、伝わっていくでしょうか。
(2017.11.28更新)
■ 横浜『勧行寺 永代供養廟』落慶
神奈川県横浜市にて、勧行寺 永代供養廟が落慶いたしました。
4月末に落慶法要が執り行われ、檀家様、関係者の皆様方にお披露目となりました。工芸的分野とのコラボレーションは、楽しくもあり苦心の作でもあります。優しげなピンクオニックスの仏像を囲んで鋳込んだ再生ガラスの位牌が並ぶ、ふわりとした空間です。(2016.07.21更新)
このたび落慶した永代供養廟
本堂(2011年落慶)
[設計]
この建物は、2011年に落慶した本堂建替に続くもので、東京藝術大学名誉教授 故・茂木計一郎氏の基本デザインと残されたスケッチに基づいたものです。設計は、茂木建築設計事務所のOBである(株)フェイズ・スリー山田博之氏と、同OBである弊社小林和太郎との共同作業によって進めたものです。
[製作・施工]
金属部分の加工製作は制作美術研究所/山本鍾互氏、鋳造ガラス位牌は藤原陶房 藤原郁三氏、仏像は彫刻家中村真木氏 といった東京藝大OBの方々に尽力いただきました。また、工事の監督管理はCM/丸茂浩二氏に依頼し、勧行寺の直営工事としました。
このようなご縁により落慶に至りましたことを感謝するとともに、末永く愛される建物であるよう願っております。
■ 信州への事務所移転 完了いたしました
東京の真ん中から日本の真ん中へ
昨年から準備を進めていました移転計画がようやく完了.
南信州 " 伊那谷 " へ、拠点を移しました.
長野県駒ケ根市上穂栄町 "すずらん通り”
中央アルプスに向かうゆるやかな登り坂、ヒューマンなスケールと明るさがこの通りの魅力です.
空家を改装し、小さな明かりを灯しました.
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2014年11月に、東京・元赤坂から東京・多摩市の仮事務所に移り、
約半年の準備期間を経て
新緑が映える季節、信州で新たなスタートを迎えました.
移転にともない、ご不便をかけながらもお付き合いくださいました建築主様、
また改修工事をはじめ移転準備にご協力くださった皆様方、誠に感謝申し上げます.
ゆたかな場、ゆたかな暮らしとは何か、改めて問い直されています.
新たな拠点からこの問いに向き合い、発信したいと思います.
(2015.7.29更新)
新・駒ケ根事務所
改修前・工事中
多摩・仮事務所
元赤坂・前事務所
■ 事務所移転計画のご案内
次の時代を見据え、小林福村設計事務所は南信州"伊那谷"に拠点を移します。
移転準備のため当面の間、東京・多摩に仮事務所を設けます。
ご不便をおかけいたしますが、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。(2015.01.19更新)
■ 『そば処 市野 吉田屋』オープン
静岡県浜松市にて、設計・デザイン監修をつとめていた蕎麦店がオープンいたしました。
老朽化に伴う既存店舗の建て替えにともない、ゆったりと "ワンランク上" を目指したお店作りです。ぜひ一度、お運び下さい。(2014.10.17更新)
写真はfacebookページでも公開中です。
>アルバム そば処 市野 吉田屋 オープン
そば処 市野 吉田屋
435-0051
静岡県浜松市東区市野町1688
053-421-2931
■ 『アキヤマスポーツ』オープン
東京都武蔵村山市で、スポーツ用品店がオープンしました。
野球用品を中心に取り扱う、地域に根ざしたこぢんまりとしたお店です。(2014.10.17更新)
アキヤマスポーツ
208-0084
東京都武蔵村山市本町2-89-1
042-560-8933
■ facebookページを始めました
このホームページとは少し異なる切り口で、私どもの仕事をご紹介出来ればと思います。
facebookユーザ以外の方もご覧いただけます。
>小林福村設計事務所 facebook ページ
■ RC住宅のリノベーション
築30年・RC造(鉄筋コンクリート造)住宅の一部を改装しました。
さまざまな色・素材がやんわりと調和する、個性的な住まいになりました。
■コテージ『ノッツハウス』オープン
木曽・開田高原に2013年春、『ノッツハウス』がオープンしました。
一棟まるごと自由な使い方で楽しめる宿泊施設です。
オープン以来ほぼ満室、順調なすべり出しとのことです。
ぜひ一度、お訪ね下さい。
コテージ『ノッツハウス』
"Knots House"
〒397-0301
長野県木曽郡木曽町開田高原末川2692-4
(宿泊問合せ:0264-42-3501/大森様)
※JR最寄駅は木曽福島です
※送迎、食事についても相談に応じていただけます
■レストラン『石垣吉田』オープン
デザインを手がけておりましたレストラン『石垣吉田』がオープンいたしました。
麻布十番商店街"パティオ"近くです。
ぜひ一度、足をお運びください。
石垣吉田(いしがきよしだ)
〒106-0045
東京都港区麻布十番2-8-10 パティオ麻布十番3F
03-6435-3747
http://www.ishigaki-yoshida.jp/
■ 都内で住宅が竣工しました
地下1階、地上2階の木造住宅。
限られた敷地に多くの機能を盛り込みながら、各部屋への採光/通風を確保するため、
コートハウス型のプランで計画しました。
想像以上に明るく、地下まで光が届く明るい家になっています。
■ 鮨 『くりや川』オープン
恵比寿ガーデンプレイス近くに、
デザインを手がけておりました店舗『鮨 くりや川』がオープンいたしました。
全14席、アットホームな雰囲気が心地よい、こぢんまりとしたお店です。
ぜひ一度足をお運びください。
鮨 くりや川(すし・くりやがわ)
東京都渋谷区恵比寿4-23-10 ヒルサイドレジデンス地下
03-3446-3332
※最寄りの建物は日仏会館です
お店のブログ
http://ameblo.jp/kosi0626/
東京カレンダー紹介記事
http://tokyo-calendar.com/restaurants/2260